ZabbixAgentのソースコンパイル手順

LinuxOSにパッケージをインストールする際に、ハードウェア都合によるアーキテクチャの仕様により、パッケージがリポジトリに公開されておらず、インストールできないケースがあります。この場合、ソースをコンパイルしてインストールすることで解決できることがありますので、実際にZabbixAgentで実施した手順を公開します。

環境
H/W:OpenBlocks A6
アーキテクチャ:armel
OS:Debian 7.11(Wheezy)
要件:armelアーキテクチャのOSにZabbixAgentをインストールする

# groupadd zabbix
# useradd -g zabbix zabbix
# apt-get install gcc
# wget https://cdn.zabbix.com/zabbix/sources/stable/3.0/zabbix-3.0.31.tar.gz
(実際に必要なバージョンを指定してください)
# tar -zxvf zabbix-3.0.31.tar.gz
# cd zabbix-3.0.31
# ./configure --enable-agent
# make install

※confはZabbixデフォルトの/etc/zabbix/配下に配置したいところですが、ソースのデフォルトが/usr/local/etc/になっていたため、ソースのデフォルトを優先しました。

# cp /usr/local/etc/zabbix_agentd.conf{,.org}
# vi /usr/local/etc/zabbix_agentd.conf
  PidFile=/var/run/zabbix/zabbix_agentd.pid
  LogFile=/var/log/zabbix/zabbix_agentd.log
  Server=xxx.xxx.xxx.xxx
# mkdir /var/log/zabbix
# chown -R zabbix:zabbix /var/log/zabbix
# cp -p /etc/init.d/zabbix-agent{,.org}
# cp zabbix-3.0.31/misc/init.d/debian/zabbix-agent /etc/init.d/
# vi /etc/init.d/zabbix-agent
  #PID=/tmp/$NAME.pid
  PID=/var/run/zabbix/$NAME.pid
# /etc/init.d/zabbix-agent start

以上

【Zabbix】Windows のプロセス監視で「コマンドライン」まで指定したい

背景

Zabbix のアイテムとしてプロセス数を取得する「proc.num[xxxx]」があります。

こちらは純粋に「上がっているプロセス数」を返してくれます。

Zabbix のマニュアルによると、オプションがいろいろあるのですが、Windows だと制限がありまして、コマンドラインを指定して値を取得することが出来ないんです。

URL↓

https://www.zabbix.com/documentation/2.2/jp/manual/config/items/itemtypes/zabbix_agent

でも、同じプロセス名(例えば java.exe)でも、コマンドラインまで確認して監視したい、なんて要望はあります。

こちらの設定、非常に簡単で設定できるので、こちらに記載します。

設定内容(画面ショットは 2.0 ですが、3.0 系でも大丈夫です)

1.最初にアイテムを作成します

対象のホストにて、[アイテム]を選択し、右上にある「アイテムの作成」ボタンを押します。

以下の画面のように作って頂ければと。

名前:Process_java.exe-1(任意です)
タイプ:Zabbixエージェント
キー:java1_procnumcheck(任意です。が、ホスト内でユニークになるように設定する必要があります)

2.ホスト側の[zabbix_agent.conf]を修正します

Zabbix Agent をインストールしたフォルダにある zabbix_agent.conf をエディター(Windows 標準なら、ワードパッドが良いです)で開きます。

セクション[UserParameter]部分に、以下のように追記します。

・UserParameter=java1_procnumcheck,wmic process where “name = \”java.exe\”” get commandline | find /v “CommandLine” | find /c “特定する文字列”

### Option: UserParameter
# User-defined parameter to monitor. There can be several user-defined parameters.
# Format: UserParameter=<key>,<shell command>
# Note that shell command must not return empty string or EOL only.
# Example: UserParameter=system.test,echo 1
UserParameter=java1_procnumcheck,wmic process where "name = \"java.exe\"" get commandline | find /v "CommandLine" | find /c "特定する文字列"

何を記載しているかと言うと、文法に則ってます。

文法:UserParameter=<key>,<command>

<key>には、項番1 で作成した「キー」を記載します。これで、対応した「キー」に対してアイテムをホスト側からサーバーへ送ることが出来ます。

<command>には、取得したい「値」を 1 行コマンドラインで取得できるように記載します。この場合は、wmic コマンドを使って、[java.exe]のコマンドラインを取得して、このプロセスでしか使っていない「文字列」を検索して、行数をカウントしてます。

Windows に関しては、値を取得するコマンドを 1 行で記載できれば、以外と簡単に取得できます。コマンドはいろんな方がブログ等で公開してくれているので、まずググってみましょう。

3.仕上げ

項番2 のように[zabbix_agent.conf]を記載できたら、Zabbix Agent のサービスを再起動しましょう。でないと、設定が反映されないです(よく忘れます)。

希望通りの「値」が取得できていることを確認できれば、あとはこのアイテムに対してトリガーをセットすれば、OK です。

【Zabbix】通常のアイテム設定で取得できないプロセス数を取得する

背景

Zabbix のアイテムとしてプロセス数を取得する「proc.num[xxxx]」があります。

正しいプロセス名を指定しているにもかかわらず、取得できないことがあります。

いろんな方から同じような質問を頂くのですが、非常に簡単で設定できるので、こちらに記載します。

設定内容(画面ショットは 3.0 ですが、2.0 系でも大丈夫です)

0.作業の前に

今回監視しようとしているのは、例えば[Dovecot]を動かしているときに起動しているはずの[dovecot/anvil]です(以下のコマンド結果を参照。一部伏せ字)。

こちらを Zabbix のアイテムで「proc.num[“dovecot/anvil”]」を作っても、取得できない場合がありました

# systemctl status dovecot.service
dovecot.service - Dovecot IMAP/POP3 email server
 Loaded: loaded (/lib/systemd/system/dovecot.service; enabled)
 Active: active (running) since Tue, 15 Nov 20xx tt:mm:ss +0900; 16s ago
 Main PID: xxxx (dovecot)
 CGroup: name=systemd:/system/dovecot.service
 ├ xxxx /usr/sbin/dovecot -F
 ├ xxxx dovecot/anvil
 ├ xxxx dovecot/log
 └ xxxx dovecot/config

 

1.最初にアイテムを作成します

対象のホストにて、[アイテム]を選択し、右上にある「アイテムの作成」ボタンを押します。

以下の画面のように作って頂ければと。

名前:Process_dovecot_anvil(任意です)
タイプ:Zabbixエージェント
キー:dovecot_anvil_procnumcheck(任意です。が、ホスト内でユニークになるように設定する必要があります)

2.ホスト側の[zabbix_agent.conf]を修正します

/etc/zabbix/zabbix_agent.conf を vi とかで開きます。

セクション[UserParameter]部分に、以下のように追記します。

・UserParameter=dovecot_anvil.procnumcheck,ps aux | grep “dovecot/anvil” | grep -v “grep” | wc -l

### Option: UserParameter
# User-defined parameter to monitor. There can be several user-defined par
ameters.
# Format: UserParameter=<key>,<shell command>
# See 'zabbix_agentd' directory for examples.
#
# Mandatory: no
# Default:
# UserParameter=
UserParameter=dovecot_anvil.procnumcheck,ps aux | grep "dovecot/anvil" | grep -v
 "grep" | wc -l

何を記載しているかと言うと、文法に則ってます。

文法:UserParameter=<key>,<command>

<key>には、項番1 で作成した「キー」を記載します。これで、対応した「キー」に対してアイテムをホスト側からサーバーへ送ることが出来ます。

<command>には、取得したい「値」を 1 行コマンドラインで取得できるように記載します。この場合は、aux コマンドを使って、[dovecot/anvil]が上がっているかを確認した後に、その「行数」を返すように記載してます。

3.仕上げ

項番2 のように[zabbix_agent.conf]を記載できたら、Zabbix Agent をリスタートしましょう。でないと、設定が反映されないですね。

希望通りの「値」が取得できていることを確認できれば、あとはこのアイテムに対してトリガーをセットすれば、OK です。

 

【Zabbix】アクション設定のメール内容を、ログに記録する

背景

Zabbix で設定しているアクションのメール送信内容を「ログ」に記録して、そちらをログ監視で確認するという要件がありました。

いろいろ調べてみると、断片的に情報をアップして頂いている方がいらっしゃったので、それを組み合わせて実現できました。

備忘録として、こちらにまとめておきます。

設定内容(画面ショットは 2.0 ですが、3.0 系でも大丈夫です)

1.最初にメディアを作成します

メニューより、[管理]→[メディアタイプ]を選択し、右上にある「メディアの新規作成」ボタンを押します。

以下の画面のように作って頂ければと。

メディア設定

名前:monitor_log(任意です)
タイプ:スクリプト
スクリプト名:zabbix_monitor.sh(任意です。ただし、
パスは、./usr/lib/zabbix/alertscripts/ に保存してください)
有効:チェック

2.スクリプトを準備します

以下のようなシェルを作って、[./usr/lib/zabbix/alertscripts/ ]に、項番1 で記載した「スクリプト名」で保存します

DATESTR=`date "+%Y/%m/%d %T"`
META=$2
UNIFIED_LOG=/var/log/zabbix/zabbix_monitor.log
/bin/echo "$DATESTR $META" >> $UNIFIED_LOG 2>&1

※スクリプト内の[META]という変数に[$2]をセットしてます。この[$2]は、アクション設定の「デフォルトの件名」部分に該当します

3.ユーザーを追加します

項番1 で作成したメディアを、ユーザーにセットします

タイプ:monitor_log(項番1で作成したものです)
送信先:zabbix

4.「アクションの実行条件」に追加します

項番3 で作成したユーザーに対して、「アクションの実行条件」で[ユーザーにメッセージを送信: zabbix-monitor]をセットします。

こうすることで、アクションがキックされた際に、[/var/log/zabbix/zabbix_monitor.log]に記載されるようになります